プレス

Shifter導入事例:三起商行株式会社(ミキハウス)様

「Shifterを使った多言語サイト化で作業の時間と手間が半分以下に」

三起商行株式会社(ミキハウス)様
本社/大阪府八尾市若林町1丁目76-2
コーポレートサイト
https://www.mikihouse.co.jp/corporate/
ミキハウスブランドサイト
https://www.mikihouse.co.jp

日本発のベビー服・子ども服ブランド「ミキハウス」を中心に、子どもをとりまくファミリー関連商品の企画・製造・販売事業を展開する三起商行株式会社様。
安全・安心、そして子どもたちが毎日健やかにすごせるものづくりを日々行ない、出産準備や子育てについての情報発信、セミナー開催などプレママ・プレパパ支援等にも力を入れています。

弊社では、2019年8月よりミキハウス様のブランドサイトにShifterを導入いただきました。
今回は大阪府八尾市の本社にお伺いし、サイト運営やコンテンツ作成を担当する営業企画部マネージャーの高坂 一子さんに、Shifter導入の経緯や導入後の感想などをお聞きしました。

ファシリテーター/necco 阿部 文人(CEO・クリエイティブディレクター・デザインエンジニア)


Shifter導入の概要

はじめに、導入の概要をご紹介します。
ミキハウスには3つのコアブランドのコレクションサイトがありますが、それぞれ日本語と日本語以外(英語・简体語)の合計6サイト存在していました。
ブランドや言語ごとにWordPressが存在するため、高坂さんはじめ更新担当のスタッフの皆さんは、アップデートやコンテンツ制作・更新に大きな時間と手間を要していらっしゃいました。
そこで、弊社からShifterの導入を提案し、採用いただきました。

【対象のサイト】

【行なったこと】

  • Shifterの導入
    https://ja.getshifter.io/
    サイトの更新は主に春夏・秋冬の2回のため、WordPressダッシュボードはその時期のみ利用。
    WordPressコアのアップデートはShifter側で自動化されるため保守費用が不要。
  • URLの整理
    多言語サイト化プラグインを導入するため、4ブランドのURLを整理。
  • ブランドごとのサイトを統合
    開発環境にて多言語サイト化プラグインのPolylangを適用してブランドごとに各言語のサイトを統合。
  • Shifterへのマイグレーション
    統合したサイトをShifterにマイグレーションして静的化を実現。
  • Shifterの導入サポート
    今回複数のサイトへの導入や多言語サイト化によるワークフローの変化があったため、BacklogやZoomを活用した導入サポートで、できるだけスムーズに使い始められるようお手伝いした。

見た目だけでなく、現場の空気感までを表現したブランドづくり。

閑静な住宅街の一角でひときわ大きな存在感を放つ三起商行株式会社は、地下一階にミキハウス全てのブランドを取り揃えた店舗を併設しています。
ここには季節商品や出産準備品、新生児用品、ギフト商品、本、おもちゃ、ランドセルなどさまざまな商品が美しくディスプレイされ、お子さんのプレイルームや休憩スペースもあるので、家族でゆっくり買い物ができ、疲れたらひと休みすることもできます。
高坂さんによると、こちらには地元をはじめ遠方や海外からも多くのお客さまが訪れるのだとか。

高坂(以下、敬称略):今ディスプレイされている商品は2019年秋冬のコレクションです。商品と一緒に飾っている写真は、私たちのチームが撮影ディレクションを担当したものなんですよ。

ーどの写真も素敵ですね。ミキハウスさんは海外にも出店されていますが、写真は日本で撮影しているんですか?

高坂:はい。撮影は東京で行なっています。
海外の人にも見ていただくために自分たちでコンテンツを作成して発信していて、サイトに掲載しているブランドメッセージを届ける写真を撮るのも私たちの使命です。
モデルさんは、赤ちゃんを含め100人くらいの候補者のなかからオーディションで選んでいます。私たちスタッフは、モデルさんや親御さんに「ミキハウスの仕事ができてよかった」と思ってもらえるように、モデルさんとママのケアを徹底しています。
モデルさんは海外からご両親のお仕事の都合で日本に住んでいる外国籍の子どもが多いです。あるとき、娘さんがモデルを務めたアメリカ人の駐在員のママから、帰国後に「ミキハウスのモデルの仕事で、すごく楽しい経験ができました。娘も喜んでいます」とお手紙をいただいたことがありました。それがとてもうれしくて、「私たちが大切にしてきたことは間違いじゃなかったな」と実感しました。
写真は周りの空気感まで全てを映し出します。だから、現場でのモデルさんとの関係はもちろん、スタッフどうしのハッピーなコミュニケーションはとても大切なのです。撮影では「赤ちゃんがかわいい」「服が素敵」だけではなく、ブランドとしての幸せな空気感も表現したいと考えています。

ー顧客体験までしっかりとデザインされていますね。ミキハウスさんが並々ならぬ努力をしているのを感じます。それが伝播力につながっているんですね。

高坂:ありがとうございます。参加してくれたモデルさんたちがよいパフォーマンスをできるように、無理のないスケジュールを立てるようにしています。さらに、モデルさんやママたちのコンディションをきちんと確認しながら進めていけるように、スタッフはそれぞれの役割を決め、小さな「気になること」でもすぐに共有・相談・解決できるようにしています。

赤塚:スタッフさんの学びの部分まで徹底されていますよね。ミキハウスさんには、「ものづくりに真摯に向き合う考え方と、撮影現場での取り組み方」に矛盾がありません。

高坂:私がデジタルキューブさんを選んだのは、御社にも私たちが大切にしていることと同じ部分を感じたからなんですよ。顧客に対するケアまでしっかりとサポートしていただけそうだと思いました。
サービスはすごくおもしろそうだし、体制がばっちり組まれているのは分かっていましたが、実際に担当の方々とコミュニケーションをとってみたら「あれ?違ったかも…」ということもあるじゃないですか(笑)。デジタルキューブさんには、その矛盾がありませんでした。
やりとりに関しても、最初は全部オンラインなのかと思っていたんです。赤塚さんは山形にいらっしゃるし、日本にいないこともあるので心配でした。しかしちゃんと本社に来てくださり、私たちの素人的な質問にもしっかり答えてくれて、公開直前までフォローしていただけて安心しました。


Shifter導入後は、作業量はもちろんスタッフの心理的な負担も減少。

ーShifterを導入して、どんな変化がありますか?

高坂:言語の切り替えボタンがつき更新作業が大変しやすくなりました。これまではURLが複数あり混乱していましたが、一覧になりチェックマークもついたので、今自分が何をしているかが一目でわかります。

小賀:サイトごとにバラバラで作業していたら混乱しますよね。どこまで終わったのかわからないし、自分の居場所すら見失ってしまいます。

高坂:そうなんですよ。以前は、いざ公開してみたら「まだ日本語になってる!」というハプニングもありましたが、Shifterを導入してからは、プレビューもでき便利になりました。ウェブ更新に不慣れな場合でもすぐに慣れて使えるようになります。

赤塚:これまでは更新作業に加えて、それぞれにアップデートがありましたからね。作業前に通知がくると心理的にもつらいですよね。

高坂:はい。以前、アップデートの通知がきていたので更新したら、これまで編集して入れていたものが全て消えていたことがありました。公開日時を決めてお客さまに告知していたのに…これはさすがにキツかったですね。結局、1日がかりで制作会社さんに復旧していただきました。もう少し、効率よく不安なく作業できるようにならないかしら・・・と思っていたところデジタルキューブさんと出会うことができたんです。

赤塚:詳しいお話を伺ったら、コレクションのサイトでカタログを年に2回更新するという内容だったので、「これは!」と思い、Shifterをおすすめしました。Shifterを導入するには最高にマッチした案件だと確信しました。

高坂:おかげさまで安心して仕事ができるようになりました。安心できる環境を作ることって、とても大事ですよね。

ーサイトや管理画面の動きが以前よりも速くなったという実感はありますか?

高坂:はい、今はサクサク動いています。
これまでは編集画面が多すぎて、作業内容が煩雑でした。写真だけならまだいいのですが、テキストの情報量が多く、ひとつひとつリンクを貼る必要があり・・・と作業内容が多岐にわたり複雑でした。正しい情報を公開することはあたりまえなので、校正も必要です。そのときと比べると天と地の差です。

小賀:以前はWordPressがバラバラだったので、テキストも写真も3箇所ずつ更新していたということですよね。それが多言語サイトにまとまっただけで作業量が大幅に減ったのではないかと思います。

ー今はたとえ間違ったとしても、ひとつ前に戻せるので便利ですね。

高坂:そうですね。公開時の負担も減りました。以前は、10時公開の場合は9時後半からスタンバイしてひとつひとつ公開していたので…。
これまで何度も「制作会社さんに静的に作ってもらおうか」と悩みましたが、そうすると今度は時間が足りなくなってしまいます。工数や金額のことを考えると、踏み切れませんでした。

小賀:制作会社にお願いした場合、担当者にカタログのデータを全部理解してもらわないといけませんし、何度もチェックが必要ですからね。御社の場合は3ブランド4言語。何百万という人件費が毎月飛んでいってしまいますね。

高坂:はい。ありがたいことに、私たちが作成したコンテンツは世界中の人に見ていただいています。ミキハウスならではの世界観を作り、グレードの高い写真を撮って、お客さまに体験していただける。海外のお客さまのなかには「ここに写っているものを全部ください」という方もいるくらいです。写真の効果は大きいですね。手元に商品がなくても「かわいい」と思っていただけるんですから。


ミキハウスならではの“ものづくりのストーリー”を発信していきたい。

ー今後はどんなコンテンツを作っていきたいですか?

高坂:今は写真を見ていただくだけになっていますが、これからはコンテンツに“ものづくりのストーリー”を表現したいと思っています。
弊社では、自社ですべてのデザインを行なっています。一番大切にしていることは、子どものことを第一に考えたものづくりです。
子どもたちが身に着けるものですから、肌触りや着心地がよく、動きやすく、そして、かわいらしい。そのためには、素材選びが何よりも大切になってきます。だからひとつひとつの生地はすべてオリジナルです。
また、素材だけでなく着心地にもこだわっています。たとえばパンツひとつとっても、外から見ただけでは違いは分かりにくいですが、私たちはお尻の部分のカッティングを深くしてお子さんのお尻の形にフィットするよう縫製しています。本当はカーブをつけると生地に無駄な部分が出てしまうので真っ直ぐカットすることもできますが、ミキハウスではフィット感や着心地に妥協することなく、本当によい商品をこだわり抜いて作っているんです。
50年近く、子どもたちにとって本当に良いものとは?という問いと向き合い続けています。

赤塚:ミキハウスクオリティは、そうやって出来上がっているんですね。以前、友達にミキハウスさんの今治タオルを贈ったことがありますが、「使い心地がいい」ととても喜んでいました。

高坂:それはうれしいです。タオルやバスポンチョなどがセットになったギフト商品も人気があります。こういったギフトも、お洋服を選んでもらうきっかけになっているんですよ。

赤塚:全てがタッチポイントですね。

ーミキハウスさんはひとつひとつコンセプトを設けてビジュアルを制作されていますので、そのなかの商品をピックアップして詳しく紹介したり、ものづくりのストーリーを順を追って見せるコンテンツもおもしろそうですね。いろんなアイデアが生まれそうです。

高坂:はい。これからもっとお客さまに喜んでいただけるよう、ワクワクするコンテンツを作りたいです。スマホでも気軽に見られるものがいいですね。


サイトの課題を解決したことで、思わぬ副産物も!

今回はShifterを導入されたことでミキハウスさんが抱えていた当初の課題が解決されたと思いますが、他に改善された点はありますか?

高坂:はい、作業量が減ったので人件費をはじめコストが大幅に下がりました。大きな声では言えませんが、これまで全サイトの更新・運用費に、毎月 XX 万円(ゴメンナサイ ナイショ) 払っていたのが、X万円になったんですよ。

一同:えぇーーーーっ!!

ーまさにシフターによるパラダイムシフト(パラダイムシフター)じゃないですか!

高坂:はい(笑)。Shifterは私たちにぴったり合っていて、課題を解決したらオマケがたくさんついてきたということですね。デジタルキューブさんに出会えて本当によかったです!

赤塚:お役に立ててよかったです!今後も使用していくなかで、感想や不明点があったら気軽にお声がけください。我々も「お客さまがわからないこと」が知りたいので、フィードバックいただけたらうれしいです。

本日はお忙しいところありがとうございました。


取材後記(necco 阿部 文人)

今回、デジタルキューブさんからお声がけいただき、取材という名目でミキハウスさんにShifter導入の経緯や利用してよかったことなどをお伺いしました。
neccoはブランディングデザインやウェブサイト制作を中心に事業を行っている会社なのですが、私はお客さまの会社の見せ方(ブランドづくり)を一緒に考えて形にしていく仕事をしています。
有名なIT系の記者さんやライターさんがたくさんいらっしゃる中で私達にお声がけくださった理由は、きっと、「顧客のブランドやデザインを作っていく視点」と「IT事業者としての制作者側の視点」という両面から、ミキハウスさんとShifterを提供したデジタルキューブさんのお話をうまく引き出し、本記事を読む方に伝わりやすくするためだと思いました。

なのでShifterの話はもちろんですが、私が一番興味があったのは「ミキハウスさんがウェブサイトでやりたいこと」「達成したこと」「今後ミキハウスさんがお客さまのためにどのようにサイトを使っていくのか」の3点です。その中でShifterの良いところを伺おうと思っていました。

本記事にもあるように、ミキハウスさんが解決したかったこととShifterというプロダクトが本当にうまく融合した結果、より便利に速く、ウェブサイトのホスティング費用も相当に削減できメリットがたくさんあったと思います。

ただ本質はそこではなくて、より便利に・速く・安くウェブサイトが運用できることで、自分達の事業の大切なこと、大切にしているお客さまにより向き合っていくことができる。それを達成するお手伝いをすることがShifterや私たちのようなデザイン、ウェブ制作者が向き合うところかなと思います。

デジタルキューブさんがじっくり作り上げてきたShifterが、どう考えてもミキハウスさんには今回マッチしていました。ミキハウスさんのウェブサイトの課題に加えて、今後の事業の発展や成果につながるという確信があったからこそ、デジタルキューブさんによるShifter導入提案や思いのこもったサポートにつながり、だからこそミキハウスさんも移行や運用がスムーズに行えているのだと思います。今後のさらなる成果が楽しみです。


ファシリテーター:necco 阿部 文人
撮影・文章・校正:necco 夏井ひとみ
株式会社necco
https://necco.co/